【動画】薬不足の現場で何が起きているのか=染田屋竜太撮影
マイコプラズマ肺炎の患者数が過去最多を記録し、感染症の不安が高まる中、医薬品不足が深刻になっている。せき止め薬や抗生剤などのジェネリック(後発医薬品)を中心に、患者に出せない薬局も出ている。製薬会社は取材に「全力で作っている」と言うが、薬不足の現場で何が起きているのか。
「患者さんに申し訳ないというか、むなしいというか」。東京都北区にある「いとう王子神谷内科外科クリニック」の伊藤博道院長(51)はため息をつく。せき止め薬はマイコプラズマが流行した夏ごろから不足気味だったが、11月に入ると在庫がなくなった。大人の頑固なせきに使う「コデイン」や子ども用の粉薬「アスベリン」が特に枯渇している。
5軒、10軒と薬局を回っても薬がなく、「もう処方箋(せん)いらない」と突き返した患者もいたという。該当の薬がなければ、成分が異なるものを処方することもあるが、伊藤院長は「診断で最適と考えた薬を処方したくてもできないのは、医師としてもどかしい」と話す。
処方箋あっても断る薬局 「深刻だ」
伊藤院長は、今年の薬のひっ…